球審をやってみよう!!~学童(少年)野球、中学硬式野球で審判をやってわかった事感じたこと③~

中学野球

球審と主審の違い

球審というと日本では主審ともいいがちですが、
実際には球審=主審ではありません。
主審とは、責任審判員(チーフ・アンパイア)と言い、審判団の責任者の事を言います。塁審が責任審判員をやる場合もありますので必ずしも球審=主審ではありません。
しかし、学童(少年野球)や中学硬式野球の試合では球審が主審をやることがほとんどで責任審判員が誰と意識する事はほとんどありませんがまめ知識として紹介しておきます。

学童(少年)野球、中学硬式野球の試合では主審も兼ねる事が多い球審ですが、皆さんはどんな印象をお持ちでしょうか?
・色々覚える事もやる事も多いので難しい
・主審として責任も重いので大変
というイメージを持っているかもしれません。
実際に私も球審を体験して慣れるまではそう思っていました。
しかし、慣れてくると実は違ったのです。

球審が一番楽しくて、楽なポジション

塁審に慣れてくると塁審としては初級者から中級者へレベルも上がってきています。そこから先は自分の経験と努力次第でレベルはどんどん上がっていきます。
そうなってくると、次は球審に興味が出てきます。
「やってもいいかな~」と思ったりもしてきます。
私の場合は中学硬式野球の時からでしたが、
そんな感じになってきた時に、
審判部の人との会話を思い出していました。

審判部の人:「審判で一番楽なポジションはどこだと思う?」
私:「ジャッジの少そうな3塁審ですか?」
審判部の人:「違うよ、球審だよ!」「球審が一番楽だよ!

この一言です。

塁審しかやっていなかった時はこの人は私に球審をやってもらいたいからわざと言っているんだと思っていました。
ですが、球審をやって何試合も経験した後にその意味が分かるようになってきました。
球審にもある程度慣れた後だと、
実は「球審が一番楽だし、一番楽しい」と思うようになりました。
なぜか、

楽しいという意味は
・選手たちの打撃やピッチングを間近で見られる事
・ストライク、ボールの判定をする事
・「プレイ」と「ゲーム」という試合の開始と終了のコールをできる事
・真夏の炎天下の中、1試合を審判した後のビールが最高においしい事

楽という意味は
・ストライク、ボールのジャッジを含めて1試合まるまる集中しているので、塁審と比べて気が散ることが少ない事
・フォーメーションをいちいち考えなくても空いている累のフォローを心掛けていればいい事
・自分のペースで試合を進められる事

以上のような事があります。
ここでは細かくは説明しませんし、
もちろん個人的な感想なので、信用されないかもしれませんが、球審をやっていくと分かるようになる人もいると思います。

球審 = 慣れてしまえば一番楽しくて、一番楽なポジション

「楽しくて、楽」と言うと語弊があるかもしれませんし、誤解が生じてしまうかもしれませんので少し補足です。
球審はストライク、ボールのジャッジをするわけですし、主審的な役割もありますので責任は当然あります。ただ、責任に関してはでどの審判にもあります。ですので、球審はただ単に楽とか楽しいと言っているわけではありません。

責任もあるけどそれ以上に楽しいとかやってよかったと思えることがあるという事です

これを見ても球審に興味が湧いてきたのではないでしょうか?
是非球審に挑戦してみてください。

球審をやる前に再確認する事

塁審に慣れてきて、球審に興味を持って「やってみよう!!」と思った方は、
やる前に再確認してもらいたいことがあります。

・ルールの再確認
・ストライクゾーンの再確認
・コールの動作の再確認

まずは以上の3つを準備してもらいたいです。
この3つはルールの再確認の中に全部含まれる部分でもあります。
塁審と球審の一番の違いは球審はストライク、ボールのジャッジをすることです。塁審でもハーフスイングのジャッジをする場合もありますが、基本的にストライク、ボールのジャッジは球審がします。ここが球審の最大の魅力であると同時に責任も重くなる部分でもあります。
ですので、特にストライクゾーンについては再確認をしてください。

球審初心者としての球審の練習

事前に確認した後にはいよいよ球審初心者としてデビューです。
デビューと言ってもいきなり試合で球審をするという事にはならないと思いますのでご安心ください。

まず最初は実戦形式の練習時に学童(少年)野球の場合は球審に慣れている保護者の方が横について、教わりながら練習をしますし、
中学硬式野球の場合は審判部の方が後ろから見る形で手取り足取り指導してもらいながら練習していきます。

球審の練習時にだいたい言われることが3つあります。

・ボールから絶対に目を離さない
・ストライクのコールは一呼吸おいてからコールする
・落ち着いて余裕をもってしっかりと聞こえるようにジャッジする

この3つです。


・ボールから絶対に目を離さない
これは前の所でも話しましたが、球審の場合はさらに集中してください。基本的には試合中(特にインプレー中)は絶対にボールから目を離してはいけません。(といっても、インジケータでのカウントの確認時やブラシでホームベースの汚れを落としている場合など一部は除きます)
球審はストライク、ボールのジャッジの他にも試合全体を見なければなりませんし事故やトラブルにもつながりますので、特にインプレー中はボールから絶対に目を離してはいけません。(審判部の方からはインジケーターを見てカウントを確認する時間も極力無くすように言われていました。)

・ストライクのコールは一呼吸おいてからコールする

これはアウトのコールの時と同じですが、しっかりとストライクだと確認できてからコールをするためです。仮にファウルチップがキャッチャーのグローブに収まったとします。通常ならストライクです。ですが補給してすぐに落球してしまった場合はファウルになります。そうなった場合に早くストライクとコールしてしまうとミスジャッジになります。そういう事も含めて確実にストライクと確認してからコールをする必要があります。

・落ち着いて余裕をもってしっかりと聞こえるようにジャッジする

これは塁審にも言える事ですが、慣れるまでは余裕をもってというのが中々難しい事です。私も球審の練習しているときに審判部の方に良く言われました。ですが、いざ実戦で初めて球審をした時にはやはり焦ってしまい、ジャッジやコールが速め速めになってしまいそこでも指摘を受けました。
ただ、こればかりは実戦で経験して慣れていくしかないので最初は無理かもしれませんが心がけていれば徐々にやれるようになってきます。

塁審も含めてですが、最初からしっかりした動きができるという事はありえません。どれだけ事前に動画や書籍で予習をして頭でシミュレーションしていても、実際にやってみると全く違います。球審も慣れるためには最後は場数を踏んで経験を積むしかありません。

球審初心者として練習である程度慣れてきたら、次はいよいよ球審初級者として実戦デビューです。

球審初級者として実践デビュー

球審初心者として練習を積んで慣れてきたらいよいよ実践デビューです。
実践デビューの時やデビュー後のまだ慣れていない時期に心がけておきたいことが3つあります
それは

・試合前のミーティングで各審判の持ち場と動きをしっかりと確認する
・ジャッジに困ったりわからない場合はタイムをかけて協議する
・試合後のミーティングでできなかった事を思い出して次に繋げる

この3つです。
球審初心者としての心構えはもちろんですが、実践デビューして実際に試合を審判する場合には上記3つを心がけて試合に臨んでください。

・試合前のミーティングで各審判の持ち場と動きをしっかりと確認する
まずこれが重要です。練習試合でもそうですが、同じチームから4人審判をだすことは珍しいです。通常タテ(球審、2塁)と横(1塁、3塁)とお互いのチームから2人づつ審判を出します。多くの場合は半分は知らない人と一緒に審判をやることになります。そうなった場合に事前に何も決めずに試合が始まってしまうとそれぞれの意思疎通がうまくいかずトラブルのもとです。そうならないためにも試合前のミーティングで「内野のベースより前のフライ、ライナーは球審が見ます、ベースよりうしろはそれぞれでジャッジして下さい」とか「2塁審が外に出た場合は、、、、。」とか「外野のジャッジの範囲の確認」などいろいろ確認事項をしっかりと確認しておくとトラブルになりにくくなります。

・ジャッジに困ったりわからない場合はタイムをかけて協議する
これは塁審の時でもそうですが、判断に困ったり、プレーを見ていなかったりしてジャッジできない時はタイムをかけて審判4人で協議をしてください。4人いれば誰かが見ていますし、違った角度から見ていて判断できる審判がいることもあります。

・試合後のミーティングでできなかった事を思い出して次に繋げる
通常試合後に審判4人で試合を振り返って、そこでお互いの連携や動きでできていなかった事を指摘しあいながら反省会をします。この反省会が大事です。自分ができていなかった動きを指摘されてり逆に自分が相手に対して私的することによって審判全員の経験値が上がることになります。基本的にはチームにかかわらず全員が保護者のボランティアですので、1つの合を完璧な動きでミスなく動いたりジャッジしたりすることは難しいです。ですが、試合後のミーティングでそれぞれのレベルアップも可能ですので、しっかりとした試合後のミーティングを行ってください。

この3つをしっかりと心がけて球審デビューから審判をこなしていけばだんだんと球審にも慣れてきますし余裕も出てきます

あとはひたすら実戦経験を積んでください。
そうなれば中級者から上級者へとステップアップしていけます。

私の場合は中級者の手前位で子供が高校に進学したので私の審判としての役目も終わりました。

私が審判をしていて唯一心残りがあります。「ボーク」を宣告できなかった事です。
試合後に審判部の方から「あの時の投球はボークだったけどね」と言われたことが何度かありました。が、「ボーク」は結局言えませんでした。
これは球審あるあるの1つだと思います。「ボーク」についてもしっかりと調べたりしていたのですが、結局宣告できませんでした。そんな私でも球審をやってて良かったっと思っていますし、自分では中級者の入り口ぐらいまではできていたかなと思ています。

ですので、中級から上級になっていく方たちには私が書くことはありません。
ここから先は自分で聞いたり、調べたり、球審として試合をこなしていくだけです。

審判あるある3
「ボーク」が宣告できない。
「ボーク」について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください↓

ボークの種類と定義「判定の基準」

まとめ

今回の審判についての3つの記事はあくまで審判を経験した中級一歩手前ぐらいの普通のお父さんが書いたものです。審判の資格を持った人や審判上級者の人が書いたものではありませんのでそこのところはご了承ください。ですが、これから審判をやろうと思っている人や球審に挑戦したいと考えている人の一助になればと思っています。

最近では審判をやるお父さんが減っているとも聞きます。審判はボランティアで大変ですが、やってみるとそれほど難しくはありませんし、やりがいや楽しみもあります。そして何より子供達、選手達のためにもなります。

是非挑戦してみてください!!

「まずは塁審からはじめよう!!」は下記をご覧ください↓

まずは塁審からはじめよう!~学童(少年)野球、中学野球で審判をやってわかった事、感じたこと②

参考になる書籍です。

参考になる動画はこちらをご覧ください↓

お父さんのための野球教室TV

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