今週の思い出の重賞は菊花賞トライアル神戸新聞杯と古馬の秋始動のレースオールカマーです。それぞれ紹介していきます。
思い出の神戸新聞杯
先ずは神戸新聞杯から。その昔は菊花賞トライアルというと京都新聞杯と神戸新聞杯とセントライト記念の3レースがありましたが、京都新聞杯が春に移行になり関西の菊花賞トライアルは神戸新聞杯1つとなっています。そんな神戸新聞杯ですが思い出のレースは、、、、。
2020年第68回神戸新聞杯。勝ち馬はコントレイル
神戸新聞杯は春のダービー馬やダービー上位馬の秋の始動レースとして数々の名馬が勝利を収めているレースで荒れにくいレースでもあります。そんな神戸新聞杯に無敗のダービー馬が秋始動レースとして出走したのが紹介するレースです。無敗のダービー馬とは後の無敗の3冠馬となるコントレイルです。コントレイルは説明不要だと思いますが、このレースは無敗での3冠達成前の大事な秋初戦という事である意味菊花賞以上に落とせないレースだったと思います。京都競馬場改修の影響で中京開催でしたがコントレイルの見せたレースはまさに横綱相撲とはこういう事を言うんだというレースぶりとなりました。パンサラッサが逃げる展開でしたが、コントレイルと同馬主のディープボンドを番手に行かせつつ8番手と中段でレースを進めます。直線入り口でディープボンドが進路を作る形で直線に向くとあとはほとんど追うところなく先頭に立ち2馬身差の圧勝。2着には後ろから伸びてきたベルトライゼンデが入り3着はロバートソンキーというレースでした。コントレイルの先導役になったディープボンドは4着でしたが今考えるとかなり贅沢な先導役だったと思います。ディープボンドはこの春の天皇賞でも2着になっていてG1未勝利馬の獲得賞金で歴代1位になっておりいつG1を取ってもおかしくない馬になっています。逃げたパンサラッサもこの後にドバイターフとサウジカップを制して国際G1馬になっています。ベルトライゼンデもジャパンカップで2着になっている強豪ですし、この時点ではどの馬も完成されていなかったとはいえ今メンバーを見返すとかなりなメンバー相手に完勝したレースだったと思います。無敗の3冠を目指していたコントレイルにとってはトライアルとはいえ落とせないレースでしたが、そのレースをトライアルとしては最高の形で勝つことができ、無敗の3冠へ夢が広がったレースでもありました。この後の活躍は言うまでもありませんが、そんなコントレイルのレースぶりをご覧ください。
思い出のオールカマー
神戸新聞杯とは違ってオールカマーはG1馬も勝利していますがそれよりも中山巧者やアッと言わせる馬が勝って荒れる要素も満載のレースという印象です。そんなオールカマーですが、思い出のレースは、、、。
ツインターボというとまさに「名は体を表す」という言葉がぴったりの馬で当時の個性派な逃げ馬として記憶に刻まれています。デビューしてから中央のレースでは全て逃げた馬でした(当時のダートの王者ライブリマウントが勝った帝王賞になんと武豊騎手騎乗で出ていたのですが、さすがにダートでは逃げられず最下位に沈んでいます)そんな逃亡者ツインターボですが、重賞を3勝していて最後に勝った重賞がこのオールカマーでした。このレースの前に七夕賞も逃げて勝ったいるのですが、その着差が4馬身でした。このレースでも注文通りに逃げたのですが、いわゆる大逃げでした。1コーナー手前で既に7,8馬身差を付けてコーナーに入って向こう正面では2番手ホワイトストーンに10馬身以上、ホワイトストーンから3番手ハシルショウグンがまた恐らく7,8馬身ついていて、ハシルショウグンから4番手以下が4,5馬身差というあまり見たことのない展開でレースが進み、直線に向きます。直線に向いた時点で2番手ホワイトストーンとの差はまだ10馬身以上のままでハシルショウグン、ライスシャワーがホワイトストーンを交わしにかかっている時点ではツインターボは残り200mぐらいの所まで来ていました。さすがに足色は鈍っていて差は縮まってくるのですが前半の貯金がものをいい結局2着に上がったハシルショウグンとは5馬身差でゴール。伝説の大逃亡劇がここに完結しました。レースの上りはツインターボが37.8で2着のハシルショウグンが35.1ですから上りで2.7秒の差を詰めても5馬身差という事で、これぞ大逃げというレースを見せてもらいました。今でいうとパンサラッサが似ているかもしれませんがここまでの大逃げは2着に敗れた天皇賞が該当するでしょうか。それでもツインターボは勝ち切った事がよりインパクトとなり今でも語り草になっています。いつの時代もアッというわせるのは逃げ馬という事は最近でもテイエムスパーダを見ると変わっていないと思います。そんなツインターボの大逃げをご覧ください。
今年はそれぞれどんなレースになるか楽しみです。
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