思い出の重賞2021.11.17~マイルチャンピオンシップ(アグネスデジタル)、東京スポーツ杯2歳ステークス(キングヘイロー):たてログ競馬

思い出の名馬、レース

秋競馬真っ盛りですが、今週末は秋のマイル王決定戦のマイルチャンピオンシップと年末の2歳G1と来年のクラシックを占う上で重要なレース、東京スポーツ杯2歳ステークスが行われます。

思い出のレースは、、、。

マイルチャンピオンシップ

秋のマイル王決定戦として定着しているレース。数々の名勝負が繰り広げられていますし、リピーターが多いレースでもあります。今年も昨年同様阪神開催になります。

そんなマイルチャンピオンシップですが、思い出のレースは、、、。

2000年第17回マイルチャンピオンシップ。勝ち馬はアグネスデジタル

先々週末にマルシュロレーヌがアメリカのブリーダーズカップディスタフを勝ち、日本調教馬として初めてアメリカのダートG1を制して話題になっていますが、マルシュロレーヌは元々芝でも勝ち星をあげていた馬で、いわば二刀流の馬でもあります。

過去にも二刀流の馬は何頭もいましたが、その先駆けになった馬が今回取り上げるアグネスデジタルです。しかも、アグネスデジタルはこのマイルCSを勝つまで芝のレースで勝利をしていませんでした。そんな状況の中芝のマイルG1を勝ってしまったのですから驚きましたし、後の活躍を考えるとこの勝利が決してフロックではなかったと思わせるレースでした。

アグネスデジタルはマル外馬でダートでデビュー。2歳時に芝のレースにも挑戦していますが芝では勝てず、ダートの地方重賞の全日本3歳優駿(旧馬齢)を勝利してダートでは頭角を現していました。明けて4歳になりダートのオープン競争、芝の重賞でも勝ちきれないレースが続いていましたが、その後地方の名古屋優駿を勝ち、中山開催だったユニコーンステークスも勝って、ダート重賞の武蔵野ステークスに向かいましたがそこで3着となり、マイルCSに向かってきました。ダート重賞は地方も含めて3勝していましたが、芝の重賞では3着どまりですし、芝のレースでは未勝利という状況での出走。人気は13番人気という評価でした。その他の馬は手薄だったかというとそうでもありません。キングヘイロー、シンボリインディーやブラックホーク、ダイタクヤマト、マイネルマックスなどのG1馬や後の香港G1馬エイシンプレストンなど豪華メンバーでのレースでしたのでこの人気もうなずけます。

レースはヤマカツスズランが逃げる展開で直線に向きます。直線に入ってもまだアグネスデジタルは後方でしたが、残り200mを過ぎたところで外に持ち出すと、、、。

内から1番人気のダイタクリーヴァが普通なら差し切って1着という展開を

外から物凄い末脚で他馬をまとめて撫で切ってしまうという強烈なレースぶりでした。

しかも最後は流しながらのゴールです。上がりも34.3という当時ではかなり早い上りを使ってのゴールでしたので今でも強烈に印象に残っています。

このレースが芝レースでの初勝利とは思えないぐらいの弾けっぷりで、素質開花というにふさわしいレースとなりました。

この後のアグネスデジタルですが、明けて5歳の春は不振でしたが、、、、。秋以降の活躍がまた当時としては考えられない活躍ぶりです。地方重賞の日本テレビ杯を勝ったのを皮切りに、地方G1マイルチャンピオンシップ南部杯、天皇賞秋、香港G1の香港カップ。さらにフェブラリーステークスまで重賞5連勝内G14連勝を成し遂げます。芝、ダート、海外と短期間に別カテゴリーのG1をここまで勝った馬は当時では皆無でしたし、20年以上たったいまでも類を見ない偉業ではないでしょうか。今後も現れないかもしれないタイプの馬なのかもしれません。

ウマ娘のアグネスデジタルはこちら

驚異の末脚をご覧ください↓

東京スポーツ杯2歳ステークス

今年からG2に格上げされる東京スポーツ杯2歳ステークスですが、その昔は府中3歳ステークスという名称で行われていました。最近の過去の勝ち馬を見ても、コントレイル、ワグネリアン、ディープブリランテと後のダービー馬が名を連ねていますし、ダノンザキッド、サトノクラウンなどのG1馬も多数輩出しているレースです。東京1800mでおこなわれており、昔から「東京1800mは展開いらず」という格言がある通り、東京のこの距離は強い馬がしっかりと勝ち切る距離なので、この時期の2歳馬が他馬を圧倒するような勝ち方をすれば、後のG1に繋がっていくのではないでしょうか。

そんな東スポ杯ですが、思い出のレースは、、、。

1997年第2回東京スポーツ杯3歳ステークス。勝ち馬はキングヘイロー

キングヘイローは個人的にも大好きな馬で、デビュー2年目の福永祐一騎手に競馬の難しさを教えた名馬でもあります。

キングヘイローは血統も超一流で、父は凱旋門賞馬ダンシングブレーヴ、母はケンタッキーオークスなどアメリカG17勝の名牝中の名牝。

デビュー戦を快勝後に500万下のレースも後方一気の末脚で勝利して2戦2勝での参戦でした。

レースはスーパーグランサムが逃げてレオチェンジャーが続きます。さらに2番人気で後のG1馬マイネルラヴ、マイネルメッサ―が続きキングヘイローはその後ろという展開。

直線では相手はマイネルラヴ1頭というレースで、そのままマイネルラヴを2馬身1/2突き放してゴール。最後は流す余裕もあるレースぶりで、来春のクラシックを意識させるレースぶりでもありました。

その後のキングヘイローですが、この年の同世代には強力なライバルが何頭もいて(スペシャルウィーク、セイウンスカイ、エルコンドルパサー、グラスワンダーまさに最強世代です。)クラシック制覇の夢は叶いませんでしたが、6歳でG1高松宮記念を勝ち、種牡馬としてもG1馬を輩出、今では母の父として存在感を発揮して個性的な産駒を出しています。自身の競争成績も個性的で、1200mのG1を勝っていますが、3000mの菊花賞でも5着、引退レースの有馬記念でも4着とオールラウンドに能力を発揮する超良血の個性派名馬だったと思います。

ウマ娘のキングヘイローはこちら

そんなキングヘイローがクラシック制覇を予感させたレースを直線だけですがご覧ください↓

今年のマイルCSはリピーターが来るのか、新たなヒーローが誕生するのか、東スポ杯は来年のクラシックを意識できる馬が出てくるのか楽しみな週末です。



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